|
| |
今回のダディーズトークの ゲストは、ひよこのキャラクターや『みどりのくまとあかいくま』の絵本が大人気の作家、いりやまさとしさん。いりやまさんが注目を浴びるきっかけとなった絵本は、どちらも父親になってからの作品です。 |
|
|
|
僕は、仕事を家でやっているので必然的に子育てに参加していることになります。特に妻が1年の産休を終えてからは本当に大変で、だから、父として子育てをどう思うかと聞かれたら、リアルタイムでは、しみじみ考える余裕なんてなかったですね。
いりやまさんが今年発表した絵本「きみのためのうた」は、父親になってからの心の移り変わりを綴った作品。子育てに揺れるお父さんの素直な気持ちが込められています。
ぴよちゃんシリーズは、子供向きのものですが、「みどりのくまとあかいくま」シリーズは、親になる人、すでに親になっている人たちに向けて描いています。中でも「きみのためのうた」は、初めて子供が家に来たときの戸惑いや病気をしたときの切なさなど、父としての自分の気持ちを綴ったものなので、出版するとき気恥ずかしさがありましたね。そして、この絵本の表紙に描いた絵が、まさに僕の息子に対しての本音です。幼い息子を膝の上にのせたり、おんぶしたりすると、彼が何かをするわけではないのに、ものすごく癒される…この気持ちは、何ものにも変えられない大きな体験です。
子供がそろそろ生まれるという時期、ちょうどアメリカで911のテロがあったんです。妻は、あまり気にしていない様子でしたが、僕は戦争が起きるんじゃないかって本当に心配しましたね。そのときはじめて、「子供が生まれてくるのに何故!」と心の底から世界平和を願いました。それが、父親の気持ちの最初の芽生えだったのかも。
第一回のパックンの記事に「今しか楽しめないのに子育てに参加しないなんてもったいない」というのがありましたが、僕の場合はちょっと違って、赤ちゃんの頃から常に子供を観察してると、まるで自分を見ている気分になってくる。同じDNAなんだから当然ですが、息子が悩んだり失敗したりする気持ちがよくわかるというか、だからこそ「そんなときは、こうだよ」とか「そんなに気にしてなくても大丈夫」って、自分を振り返ってアドバイスしてあげられる気がするんです。そういう意味で子育ては「自分の育て直し」みたいなところがありますね。